災害の話

baseスタッフのだいちゃんです。

今年も子ども達に、卒園児保護者の孝太さんが3.11の話を中心に災害の話をしてくださいました。

最初の写真を見るだけで、

「津波!」

「地震だ!」と大きな声で言う子どもたち。

ページがめくられる度に、

「なんで船が家の上にのってるの?」

「どうして津波の方に行っちゃったの?」

「忘れ物したんじゃない?」

「でも命の方が大事だで」

といろんな声が聞こえてきました。その声にしっかり耳を傾け、「このおばあちゃんはどうして山を下りて行ったんだろう?」「こういう時はどうしたらよかった?」と語りかける孝太さん。

「命を守るために大切なこと、それは声を掛け合う事。風りんりんでも大切にしていることだよね」といわれ、ヘビ、、、?ハチだ!と声が聞こえてきました。

車が来た時は大人も子どもも「車がきたでー!」と大きな声で。ハチやヘビが出た時はそ~っと離れ「あっちにヘビがおるで」とひそひそ声でみんなに伝える。

普段から風りんりんではよく見かける光景です。自分は気づいていても、周りにいる人は気づいていないかもしれない。自分の命を守るためにも、みんなの命を守るためにも声を掛け合うということはとっても大切なことなんだ、と改めて僕も気付かされました。

子ども達は怖いのか真剣な表情で孝太さんの話を聞いていました。小学生になる前から地震や津波は怖いものなんだと感じれているこの子たちは凄い、と僕は思いました。

 

僕が小学6年生の時が東日本大震災の年でした。テレビやラジオで毎日流れる津波の映像。

ニュースの画面には常に小さく、警報色で真っ赤に染まった日本列島が映し出されていました。それを家でぽかーんと見ていただけでした。

驚きはしましたが、怖いという気持ちにはなりません。そもそも何も知らないから。

津波の事も、地震の事も。なんで危険なのか。どうしたらいいのか。

そもそも津波って?穏やかな海しか知らずに生きてきました。地震も一度も経験したことがありません。

ただなるがまま。もし僕がその場にいたら、津波を興味本位で見に行っていたかもしれません。

だけど、小学4年生のころに宮城に引っ越した友達のお母さんから電話がかかってきました。

「ごめんね、○○、亡くなったけね」と言われ、心臓の鼓動が大きくなるのを感じました。寿司職人になりたいと言っていました。その友だちはどこか大人びていて、好きなバンドはBUMP OF CHICKENでした。

ぼくは違いましたがその友だちはかぎっ子でした。いろんなことを話してくれました。だからいつも夕方まで遊んでいました。「将来は宮城に遊びに来いよ」と言ってくれました。周りからは変わり者だって言われていたけど、ぼくは大好きでした。

誰が悪いというわけではありません。だけど、この悲しみは誰がどうしてくれるんだと思いました。その友達の家族はもっと悲しいと思うと今でも苦しくなります。そして、そんな人たちが今でも数多くいるのです。

津波や地震の話は怖いし、思い出すので聞きたくありません。だけど、実際にあった本当の事なんです。

絶対に知らなくてはいけない、とは思いません。だけど出来るだけ、子ども達に知って欲しいとは思います。人間というのは怖いことや未知なものには背を向けたくなります。だからこうして、災害の話をしてくださる孝太さんには感謝しなければなりません。

そして真剣に話を聞こうとする子ども達の姿に、嬉しく思います。

 

僕は今でもBUMP OF CHICKENが好きです。お寿司を食べに宮城に行ったこともあります。

その友だちのことは忘れません。

(だいちゃん)

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