『育てる』ではなく『育つ力を見守る』という育て方
子どもを取り巻く社会問題として、いじめ、虐待、指示待ちっ子、体力の低下などがあげられます。中・高生の死亡原因の1位は「自殺」です。なぜこんな社会になってしまったのか。
私は幼児期の自然体験によって身に付く生きる知恵と力、ここに問題解決の光があると確信しています。
現代の子育て、教育は、すべて大人主導型だと認識します。子どもは生まれたときから「だめ、危ない、汚い、早く」の4語を言われ自分で経験すること、自分で考えることをどんどん奪われています。本来人間は考え想像する唯一の生き物で、それは幼い年齢であるほど顕著で素晴らしい時間です。空に浮かぶ雲は魚であり、ご飯をこぼしながらも自分の手で食べることで触感を養い、土の上でハイハイすることで自然の匂いや手触りで五感を磨き、転んで擦りむき痛い経験をすることで危険察知能力を高める訓練をしているのです。
子どもは「AKU(アク)」です。
A・・・危ない
K・・・汚い
U・・・うるさい
これが子どもの本来の姿であり素晴らしさであり、毎日が「生きる力を身に着ける自由研究」なのです。幼児期にAKUをたくさんやったほうが、様々な生きる力が身につきます。禁止する、抑えつけるのではなく思う存分できる環境を作ってあげてください。「生きる力」は知識ではなく「体験」からしか会得できません。
親や大人は「子どもを育てよう」と力まなくていいのです。子どもは最初から自分で育つ力をもっています。想像力や忍耐力、情熱や好奇心といった良き大人になる原動力を内在して生きています。「育てる」ではなく「育つ力を見守る」という育て方がいいのです。「教える」ではなく「子どもに教えられる」大人がかっこいい大人です。子どもをよーく見ていたら、答えはいつも子どもが出してくれています。よーく見ていて。
子どもは「早く早く」と、競争であおられたり、大人の思惑で比較されたり、今の自分を認められることなく「自己愛」が傷つけられ、自分に自信が持てなくて不安と寂しさを抱え込んだり、逆に「自己愛」を膨張させ自分や他者を傷つけたりしています。大人の価値観にあてはめないでください。みなさん大人も、子どものころ一方的に大人の価値観を押し付けられることが嫌ではなかったですか? 大人が思ってる何倍もしっかり考えてましたよね? 子どもは子どもをせいいっぱい生きているのです。
大切なことの多くは目に見えないほうが多いのです。大人は焦らず欲張らず心静かに耳をすませていてください。子どもたちが将来一人で生きていける力をつけられるよう、たくさんの体験をする邪魔をせず、「愛する子に旅を」させてやってください。そして、とにかく一緒に笑ってください。お母さん、お父さんの心がほぐれていて、なんでもないことで一緒に笑える瞬間が子どもの幸せな時間です。
私は、「命の安全を確保したうえで、子どもたちにやりたいことを全部やらせてあげたい。目をキラキラさせて遊ぶ子どもたちの後ろから、置いて行かれないようにポケポケついていく大人でいたい」と思います。
鳥取・森のようちえん・風りんりん
代表・徳本敦子
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